今日も輝けるひとつの海をのぞいてくださりありがとうございます。
無事に終わったベルリンを後にしたクイーン御一行さまは翌日、ハンブルクへ向かいます。移動距離は289km。
ハンブルクはドイツ北部にあるベルリンに次ぐ大きな都市。
エルベ川によって北海とつながっており、何百もの運河が縦横に走る運河の街。
アダムの好きなアムステルダムと似ていますね。
今回の会場も昨日のベルリンに引き続き
O2アリーナ
『Hamburg-O2 Arena』
2002年に「カラー・ライン・アレーナ」として完成。
ハンドボール・ブンデスリーガのHSVハンブルクのホームアリーナとして利用されている。
2010年にO2が命名権を取得し、現在の名称になった。
収容人数コンサートで16000人。
セットリストを発表します
◆2015/2/5 Hamburg-O2 Arena
中止となるブリュッセル公演の3日前。
今日を終えても、まだフランクフルト公演を残している。
昨日に引き続き“The Show Must Go On”がリストイン、そして28曲の編成。
“嘘でしょ?
“まだこの曲が歌えるの?”
“28曲も大丈夫なの?”
全く先の見えない今日のステージ。
どんなエンディングを
迎えることとなるのだろう…。
では開演いたします。
オープニング
◆1.One Vision
◆2.Stone Cold Crazy(partial)
先が読めない不安でいっぱいな自分に、“これで少し気持ちを落ち着かせなさい。”と言われてるような、そんな嬉しい動画が目に飛び込んできた。
少し前のレポートのお話になりますが、このヨーロッパツアー始まってすぐの1月17日ロンドンO2 アリーナ初日【セトリ(25)】のオープニングでとても貴重な映像をご紹介させて頂きました。
オープニング前の会場に流れる『Made In Heaven』の“隠しトラック”のお話です。
なんと、今回もこれと同じような映像に巡り合うことができました。
そして新たな発見が。
使われている“隠しトラック”が違う部分が使われているようだということが判明しました。
この『Made In Heaven』の隠しトラック(22′32″)とは、通説によるとデビューアルバム「戦慄の王女」(’73年)から『Made In Heaven』(’95年)の22年間(18年目がちょうどフレディの没にあたる)を表していて、フレディが現世を離れこのアルバムをもって天界へ昇っていくことを表現している、といわれています。
(ブライアンが、フレディが淋しくないように“もたせた”と何かで読んだことがあります😢)
ロンドン公演ではちょうど“18年目”が使われており、今回のハンブルクでは6枚目「News of The world」(世界に捧ぐ)から7枚目「Jazz」のあたりが使われているようでした。
そしてただでさえ貴重な記録なのに、さらにカメラワークが絶妙。
機材などの僅かなすき間から覗くアダム、VIPシートからエドニー越しのQビジョン前のアダム、展望階段真裏からのアングル、どれもゾクゾクする希少なショットばかり。
そしてさらに驚いたことに投稿者さまは日本の方のようです。
貴重な記録を残してくださった撮影者さまに感謝いたします。
◆4.Fat Bottomed Girls
曲中“Hamburg!”の掛け声を何度も呼びかけている。
テンションが上がり、集中しているのだろう。
オープニングからここまでトップギアのまま走り込み、“一旦退場”までその手は緩めず。
◆5.In The Lap of The Gods…Revisited
◆6.Seven Seas of Rhye
◆7.Killer Queen
今日も口数の多いアダム。
いつもと同じようにシャンパン飛ばして、
“濡れちゃったね!でもそれが僕の仕事だからさ!Rock’n Roll!!”
今までこんなセリフ言ったことがない。
ロックレジェンドを紹介して、その後メインステージにいるふたりに向かって投げキッス。
これもめずらしい
◆9.Somebody To Love
昨日までとは別人のように、すっかり落ち着きも取り戻している。
むしろ怖いくらいに絶好調だ。
まるで明日がないかのように、全身全霊をかけてパフォーマンスしている。
エンディングでしめたあと、オーディエンスに向かってここでも両手で投げキッスをした。
ちょっと泣けてきた。
健気にがんばってるから?
いや、あまりにもアダムが楽しそうで…。
◆16.Save Me
目を閉じ、自分の世界に入っていく。
低音のかすれた声だけが気になる。
ブライアンのギターも
今日はやけにセンチメンタルに響く。
いつもよりもさらに丁寧に仕上げ、喝采を浴びた。
◆17.Who Wants To Live Forever
“今日は歌いきる”
そう決めたのか…。
最後全てを出し切ったように息を切らす。
“今日のアダムは違う”と確信したシーンがここ。
マイクをマイクスタンドから抜き去り、花道へ歩き出したところだ。
(1分38秒~)
マイクを外したその手に
何かが乗り移ったように思えた。
いつもはブライアンの前を遠慮がちに静かに横切るアダムだったが、まっすぐに花道へ突進した。
アダムはまるで別人のようだった。
さらに不思議な力はブライアン、彼のレスペにも波及した。
この曲はアダムに寄り添い、ブライアンのレスペはアダムを支えてきた。
そして
この困難に立ち向かおうとしている今の彼こそが
必要としている人物が
この曲を通してアダムに乗り移ったのだ。
◆20.Vocal Solo
“Save Me”もそうだったが、低音がかすれている。
こんなに声がかすれてるのに、いつもよりも長い4分近くも掛け合いを続けた。
ほんとに楽しそうだからどうすればいい?
こんなアダム見てたら何も言えなくなってしまう。
◆21.I Want It All
アダムをやたら見ていたブライアン。
“今日のコイツは何なんだ!?”というような何とも言えない顔で繰り返し見ていた。
もちろん、アダムの様子は集中力“マックス”のハイのままだ。
◆22.Radio Ga Ga
後半、客席に降り立ったアダムのかなり至近距離の撮影がされている。
とてもいい顔をしている。
アダムと歓喜の握手をするファンの声も入っていてこれはいい記録となった。
◆23.Crazy Little Thing Called Love
今日のこの曲も絶対に外せない。
“天真爛漫”という言葉がふさわしい、この人たち
◆24.The Show Must Go On
ついにロジャーにまで波及した。
“Under Pressure”以外の曲でアダムと歌詞を口ずさむ、こんなロジャーも珍しい光景。
何の集大成なのか。
今日は何の日?
エネルギーを使いきる日?
オープニング前の不安をよそに、数々の名シーンを重ねエンディングを迎えた。(“God Save The Queen”は見つからず。初めて…悔しい!)
◆26.We Will Rock You
◆27.We Are The Champions
ブライアンの顔。
この動画、間違ってないよね?
私はもう一度、日付と場所を確認した。
2015のハンブルクで間違いない。
落ち着きのなかったあのアダムはもう跡形もなく、いなくなっていた。
不思議だ。
昨日までとは打って変わった
アダムのパフォーマンス。
落ち着きを取り戻し、オーディエンスの様子からも取ってわかるように今日のステージ、大成功だといえる。
喉は…Vocal Soloでもわかるように声はかすれていた。
が、そんな不調はみじんも感じさせないアダムは完璧なエンターテイナーを演じきった。
“リブフォーエバー”での
渾身のパフォーマンスが今日の頂点、
そして
“ショウマスト”で極め、出し切った。
こんこんと響いてきた。
それは、
“責任感”という名のアダムの信念を
貫き通した結果だ。
この三日後に病に倒れるとは思えない
今日のステージ。
ふと、
「灯滅せんとして光を増す」
ということわざが浮かんできた。
ろうそくが消える前に
ぱっと輝くことにたとえている。
(あまりいいたとえではないな。)
どこまでもとことん真っすぐで、
脇目も振らず、後ろも振り向かず、
自分が息切れしていることにも気づかず…。
このままフランクフルトまで
行くのね、アダム。
神様は、
倒れても
自分の力で起き上がれる人にしか
試練を与えないと思う。
これは偶然?
あなたの王冠に、
新しい力が宿ったよう。
あなたを守ってくれるといいけど…。
今日、唯一見えた希望の光。
今日も最後までおつき合いくださりありがとうございます。
アダムが楽しそうにすればするほど真実は遠ざかる。
実際のアダムの体調は迷宮入り。
実は、アダムは子どもの頃からのトレーニングのお陰で喉の使い方をよく知っています。
ミュージカルをやっていた彼に両親が、専門的なボイストレーニングを習得させてくれたのです。
そのお陰で“風邪を引いていても歌えるんだ。”と言っていたアダム。
歌えていたのはそのせいではないか、とも思う。
そしてブライアンとロジャーの様子からすると、もしかしたらぎりぎりまで、ふたりに隠していたんじゃないか、と私は思っている。
いろんな思いが巡ったハンブルク。
いよいよ、最終章フランクフルトを迎えます。
アダムの心は見えずとも
真実は見えずとも
目の前にいるアダムと向き合う。
最後まで見届けて、がんばったねと言ってあげたい。
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