今日も輝けるひとつの海をのぞいて下さりありがとうございます。
未来の2021年のアダムがバタバタしてまして
ここへ戻るのが遅くなってしまいました。
ブログを書く生活がメインになっているので
私の時代の認識はすっかりずれてしまっています。
2016アジアツアー初日イスラエル・テルアビブ公演を
無事終えたQAL御一行さま。
アダムだけ滞在期間を伸ばし「世界一やさしい街」で束の間のバカンスを過ごし、次の公演地を目指します。
テルアビブから一万キロの移動
ツアー二日目はシンガポール。
さてシンガポールてどの辺?
とっさに場所って聞かれても、なかなか答えられないですよね。
ここです!
日本が近づいてきましたね!
(それでも東京までは約17000km)
シンガポールはマレー半島の南に位置する
63個の島から成る都市国家です。
とても美しく整備されたアジアの経済大国。
広さは東京23区とほぼ同じです。
では次の質問です!
シンガポールの首都ってどこ?
えっ?
首都って…よく耳にするクアラルンプールはお隣りのマレーシアかな?
実はシンガポールは都市国家なので“市”というものがありません。
地方自治体がなく、国が直接管轄しているのでシンガポールには首都がないのです。
国=首都という感じでしょうかね。
シンガポールと言えば思い浮かぶものが二つあります。
ひとつは屋上にプールがある高級ホテル
マリーナベイ・サンズ
テレビでもよく目にする
“そのまま落ちるんじゃないの!?”ていうくらい水面の向こうに景色が広がっているあの屋上プールです。
そしてこちらはシンガポールの象徴
マーライオン。
全部で7体あるそうで、このマーライオン公園にいるのが“本家マーライオン”と呼ばれているそうです。
シンガポールの公用語は4つ。
英語、マレー語、中国語、タミル語。
言語と同じようにほぼ4つの民族に分かれており、電車のアナウンスなどもこの順番で4ヵ国語流れるそうです。
そして教育の一貫として英語が浸透しており、国民ほぼ全ての人々が英語を話せるそうです。
今回はMCも英語でOKのようですね!
ここシンガポール…
実はアダムは自身のソロツアーでこの年の1月に訪れています。
しかしQALとして、もちろんブライアンとロジャーは初めてとなります。
クイーンが1971年にデビューして以来、東南アジアへのツアーは一度も行っていないのです。
今回はフォーミュラ1(F1)シンガポールグランプリに関連したイベント2日目のヘッドライナーとしての招致。
会場はシンガポールの中心地近くにある
大きな広場「パダン」(The Padang)
推定観客数は約55000人。
スタートは22時20分予定。
レースコースの内側「ZONE4」が会場。
これは…テンション上がります
地元の新聞
2016/6/7付2014年北米ツアーの写真
F1の約3ヶ月前の新聞です。
QALが来る9月に開催されるF1シンガポールグランプリ2日目のメインアクトとして選ばれたことを告知する記事です。
クイーンとして初めてシンガポールを訪れることも記されています。
カックいい~
ツアー初日テルアビブの写真が使われているので
ポスターではないですね。
サポメンも全員映ってるのは嬉しい✨
アダムがシンガポールのトレンド入り🔥
ブライアンのInstagramより拝借
街中は歓迎ムード一色
会場の詳しい見取り図がありました
ルーファスのInstagramより拝借
その主を静かに待つ
早朝のステージ
上空からの眺め
55000人!圧巻です
さて、セトリに行く前に
(まだ行かないの?今日はさらに前置き長っ!)
いつものアレがない!…ということで
本日のコンディション
調べてみると、、、
シンガポールは赤道直下。
そうです!
常夏の国シンガポール🌴
一年を通して最高気温の平均は30度以上、最低気温の平均は24度と日本の夏のような気温が続きます。
四季はありませんが、大まかに「10~3月頃の雨季」と「4~9月頃の乾季」という2つの気候に分かれます。
雨季には多少気温が下がるようです。
よっしゃ
アダムの露出度はテルアビブのままね
暑がりアダムくんに萌え萌えキュンキュン
ということで大事なとこもチェックしたところで
セットリストの発表です
【セットリスト(59)】Formula 1 Singapore Grad Prix
前回のテルアビブで記した通り
Keep Yourself Alive
Dragon Attack
この2曲は初日テルアビブ限定。
ここから3年後のバンクーバーまで
姿を消すこととなります。
(ほんとに無くなってるよ…)
そしてもうひとつ注目点💡
前回のテルアビブで
Who Wants To Live Forever
ギターソロの前から“後ろ”へ移動したと大騒ぎしましたが(これは一大事なんです!)
実は今回のシンガポールまでとなります
なんと2回ぽっきり、次回の台湾公演からは本来の定位置“ギターソロの前”に戻ります。
いったい何があったのか真相はわかりませんが…今回が見納めとなります。
これはこれで超レアなので心して聴いてくださいね!
それでは
開演いたしましょう
オープニング
◆1.Seven Seas of Rhye
◆2.Hammer To Fall
今回のアジアツアー限定で設定されたオープニング曲
“Seven Seas of Rhye”
初日のテルアビブの時は、“なぜこの曲が?”という疑問が残ったままだった。
しかしこのシンガポールのステージを見て
府に落ちた。
この曲はクイーンのデビューアルバム「戦慄の王女」にインストゥルメンタルVer.で収録され、セカンドアルバム「クイーンII」にフルVer.で収録された。
リリースは前後するがアルバムのために録音されたものが、先にシングルカットされ、全英シングルチャート最高10位を記録したシングルとしては初のヒット曲となった。
2015~16年ツアーは“One Vision”がオープニングとして使われていた。
が、そう言えば16年サマフェスツアーの後半、ここもまた初めて訪れた東欧のルーマニア以降、Flash&The Heroと異例のオープニング変更があったことを思い出した。
クイーンにとってもファンにとっても初めての舞台、その歴史の1ページを飾るにふさわしい曲をわざわざ彼らは選んだのだ。
曲を愛し、ファンを大切にする─
そんな彼らの、フレディがいた頃から守り抜いてきた姿勢は変わらない。
ブライアンとロジャー
そしてアダムはそれをしっかり繋いできたのだ。
そんなクイーンのメッセージはしっかりとファンにと伝わっていた。
どんな言葉よりもこの映像をご覧いただけばわかるはず。
ブライアンとロジャーに会えた喜び
そして二人をここに連れて来てくれたアダムへの感謝の気持ちが、画面から溢れだしている。
アダムの表情を見れば
ここから先のステージがどんな展開を見せるのか…
わかります。
アダムはほんとにわかりやすい
可愛いやつなのだ
さて今回のシンガポール
私をびっくりさせた…嬉しい悲鳴
動画のクオリティが高い。
あれもこれもとリストにほうり込んでいたらみるみる膨れ上がり、セトリ順に並べるだけでも一苦労
オープニングからあたふたとし、先が思いやられる始末です。
というわけで言い訳が長いですね、スミマセン
いつもの如くオープニングにもう一本!
救済させていただきました。
またまた大好物の
真正面からのアングル
最前列だからなのか、ステージがいつもより高いからなのか、かなり際どい撮影にはなってますが。
まあここまでアダムくんの髪の毛の一本一本が見える程、抜いてくださり…そして撮影者ご本人なのか回りの方なのか、何度も何度も悲鳴が上がり
わかります!わかりますとも!!
叫びたくなりますとも!
◆3.Stone Cold Crazy
この曲は今日のアダムのコンディション、この後の展開を予想するにはうってつけ。
さて今日のアダムはと言えば、オープニングでも触れた通り絶好調。
声も動きも冴えわたり、色気もましまし、てんこ盛り
これまで革ジャンのハードな印象のオープニング衣装だったが、肌の露出度が増えたこのワンピース風のロングジャケットが妙に新鮮だった。
◆4.Fat Bottomed Girls
重厚なレスぺの響きからお馴染みのフレーズをかき鳴らし、爽快なコーラスで曲がスタートする。
今日はブライアン、やけに引き伸ばしているような…。
いつもならコーラスまでだいたい20~30秒くらいだが、今日のブライアン、何と1分もの時間を費やした。
そして明らかに、今日のレスぺの唸りは別物だった。
もちろんアダムにもその特別感は伝わっていた。
しっとりと艶めいたFat Bottomed Girls
いつもはぐいぐいと攻めまくっているのだが、今日は押さえめ、この違和感が何とも新鮮で心地よい。
そしていつもの最高の見せ場。
腰のラインは隠れているのだが、その動きにまとわりつくようにベンツの切れ端がヒラヒラと揺れる。
アダムの美しい大臀筋を隠しながらも、大胆な動きに目が釘付けになってしまう。
そんなアダムに目を奪われてるうちに
いつものように主役が入れ替わった。
自慢の小型カメラをレスぺの先に搭載したブライアンが、その相棒と共に全速力で花道をかけ上がる。
それはもはやギタリストではなく、アスリートの走りだ。
“いつも全力、目の前のことに真摯であれ。”
こんなブライアンを見ながら日々過ごしてきた。
このふたりのレジェンドからあらゆることを吸収し
今のアダムがいるのだ。
◆5.Don’t Stop Me Now
アダムの一回目のお色直しが終わり中盤のステージが始まる。
スパイクのピアノが焦らすかのように、途切れ途切れにイントロを奏でる。
オーディエンスにはまだ何の曲かはわからないのであろう。
アダムの“Tonight~”の歌い始めで会場が一気にどよめいた。
とここで何とも言えない違和感を覚え
ビデオを止めた。
ドンストの始まり方にしては違和感がある…?
MCがない!
曲順が変わっている…今頃気づくとは。
急いで前回のテルアビブを確認する。
そう、これまでは
Killer Queen→MC→ドンストだった。
しかしこのアジアツアーからは
ドンスト→Killer Queen→MCと変更されていた。
理由として思いつくのは、ここに組み込まれていたツアー曲Play The Game がなくなったためだろう。
中盤のスタートをKiller Queenから始めることはアダムにとっても違和感があったのだろうか。
ここはドンストでスタートしよう。
そんなやり取りがあったのか、なかったのか…。
アダムの第一声“Tonight~”
いつの間にか…ほんとに上手くなった。
この曲を苦手としていたアダムはもういない。
でもいつも思い出すのは
初めての披露の日、スパイクと発声練習をしていたアダムの姿だった。
◆6.Killer Queen(speech)
◆7.Somebody To Love
会場の周りに高層ビルが立ち並んでいるせいだろうか。
アダムの声やオーディエンスの歓声が
こだまするように響きわたっていた。
宴は最初のクライマックスを迎えた。
アダムは余裕だ。
シンガポールでは英語が浸透しているため
普段通りの速度でspeechを進める。
いつもより息が弾んでいるのがわかる。
ことば数も多く
55000人を相手にしているとは思えないほど
流暢に会話を楽しんでいた。
この撮影者様からのアングルは
アダムを後方から映し出してくれていた。
顔が見えないからこそ、見えてくるものがある。
このステージに立ち続け
同じ言葉を、同じ想いで
ときには迷いながら繰り返してきた。
伝えたいことはひとつだ。
目の前の観客が10人であろうが
10万人であろうが
アダムの姿勢は寸分も変わらない。
すべての人の心に届くようにと
その努力を重ねてきた。
舞台のその最先端に
ひとり立ち続けた。
こうやってブライアンとロジャーは
アダムの背中を見守ってきたのだ。
今夜のアダムは
またひときわ大きく見えただろうか。
Somebody To Love
いつものエンディング
ブライアンたちもこの時ばかりは
傍観者。
今日のアダムはどう来るか…
いちファンのように楽しみでしかたないのだ。
そして
オーディエンスとのCall&Responseが終わると
ブライアンとロジャーの元へ
一目散に戻ってくる。
フィニッシュは三人で─
何年たっても変わらない
この風景。
◆Selfie Stick
シンガポールの公用語は4か国語。
英語、マレー語、中国語、タミル語。
ブライアンのことだ。
こうなることはだいたい予想はついたが
いったい何ヵ国語覚えたの?
シンガポール初のSelfie Stickに観衆も大歓び
途中で一瞬、画面に不具合が起こり
苦笑いしながらもクルクルと2周回る大サービス。
55000人が小さなオモチャの中に収まった
シンガポールの夜。
◆8.Love of My Life
ブライアン向こう側には、シンガポールの富の象徴のような高層ビル群がライトアップされ浮かび上がっていた。
屋外の会場も数々あるが、こういう風景はなかなか見ることはない。
シンガポールの人々は明るい。
初めてのクイーンを歓迎してのことだとは思うが、悲鳴に近い歓喜の声がひっきりなしに聞こえてくる。
高層ビル群の谷間を
Love of My Lifeの大合唱が駆け抜けていった。
◆11.Under Pressure
アダムくん、またまた遅刻~
てか、余裕で歩いてくる?
ロジャじぃ
何度も後ろを振り返り(←いつもの光景
)
常習犯のお坊ちゃまは
にんまりとじぃの顔をのぞき込む。
“アダム、おまえ余裕で歩いてくんなよ!”
と言わんばかりのあきれ顔
ふたりだけの世界─
この曲もいろんなドラマが生まれます。
ふたりの邪魔をしちゃいけないと
そっと後ろで見守りながらも
ジワリジワリとにじり寄る輩一匹🎸
彼らのステージには
ドラマがある。
素晴らしい役者たち
毎夜繰り広げられるその日限りの物語。
◆12.Crazy Little Thing Called Love
“クイーンの曲はどれも気が抜けない”
アダムがそう言う中で
“これだけはリラックスして楽しめるんだ”
というお気に入りの曲。
今日もブライアンからの力一杯のお披露目を受け
楽しいひとときが始まる。
お決まりの“Ready Freddie!!”
を促そうとブライアンはいつものようにオーディエンスにけしかける。
今日のブライアンは一段と愛らしい
アダムは決まってこの瞬間はノーリアクション。
(だいたいロジャーの方を見ている。)
この一瞬は
ブライアンとオーディエンスにステージをあずける。
そしてフィニッシュへ。
一挙にアダムへ観衆は釘付け
おちり
いただきました~
◆14.I Want It All
アダムの成長を追っていく上で指標になる曲がいくつかある。
この曲もその内のひとつだ。
曲がスタートするまでのリフの部分。
ブライアンとの呼吸、レスぺとの絡み。
そして曲をスタートさせるための最初のコーラス。
ロジャーと息を合わすのがアダムにとっては難関だった。
最初はロジャーのタイミングにアダムが合わすのがやっとだったが、やがてアダムが引っ張っていくようになる。
大きな変化が現れたのはやはり2015年、あのブリュッセル辺りだ。
スタンドマイクを正面にセットするのが合図。
今日はロジャーとアイコンタクトを取らずとも
息がぴったりと合っていた。
ドラマチックに展開するこの曲は
アダムの魅力を存分に引き出してくれる。
ライブには外せない名曲だ。
◆16.Who Wants To Live Forever
いつもギターソロの前にプレイしていたこの曲が、ギターソロの後ろにきた稀なケース。
恐らくこの8年間で前回のテルアビブと今回のシンガポール2回だけ(2016サマソニを除いて)ではないかと思っている。
ずいぶんと苦しめられたこの曲が
ようやくアダムのリブフォーエバーになってきたと実感する。
迷いは吹っ切れた…
ここが境い目。
この曲は
ここから次の進化を遂げていく。
2020へのアダムのリブフォーエバーへと
ようやくその輪郭を現した。
◆19.I Want To Break Free
今日のこの曲、アダムの興味深い動きがあった。
その一部始終が収められた映像はとても有り難い。
動きがあったのは2コーラス目に入った頃からだ。
1:14~
ブライアンとアイコンタクトを取り、笑顔を交わしながらも素通りし、ロジャーの元へ。
この時のブライアンの表情にご注目。
“おいおい、アダムや!
そっちに行くのかい?”
みたいな顔をしてアダムの姿を追っている。
アダムはブライアンに背を向け、膝を折り曲げロジャーの顔を覗き込みながら歌いかける。
そのあとブライアンの前をおもむろに横切り
向かって右側の階段を上っていった。
このとき妙だなと思ったのは
アダムが
ブライアンの前を通ったことだ。
アダムはよっぽどの意図がない限り
ブライアンの前を横切ることはない。
意識的に後ろを通ることがほとんどである。
そしてアダムは階段の上で2コーラス目を歌いきり
ブライアンのギターソロに入った。
2:05~
アダムは妙にご機嫌。
そもそもこの曲でこの階段を使うこと自体が珍しいのだ。
ギターソロに入ったブライアンを指差すアダムの笑みが
もはや不自然
そのまま階段を降り、今度はブライアンの後ろを通り…
2:24~
この時の顔が…もう何かを企んでる顔だ🤣 (だからこの時はブライアンの後ろを通った!)
突然くるっと向きを変え、いたずらっぽく笑うアダム。
真っすぐにブライアンの元へ近づき、すかさず肩に手をかけた。
びっくりしたように振り向き、次の瞬間嬉しそうに微笑むブライアン。
アダムは左肩でブライアンを小突く素振りをして約10秒間、子供のように密着したままだった。
おもしろいのはこの間、アダムは一切ブライアンと顔を合わそうとしない。
わざと真顔で表情ひとつ変えずに前を向いている。
2:41~
アダムはスーッと離れ…ブライアンは一瞬寂しそうな顔を見せたが、何事もなかったかのように前を向きプレイを続けた。
一方ブライアンから離れたアダムは、歩きながら堪えきれないように満面の笑顔。
(ここをアップで捉えてくれたのはもう奇跡!)
確信犯だった。
2コーラス目が始まった瞬間からアダムの駆け引きは始まっていた。
ブライアンのことは眼中にないような素振りを見せながらも、“意図的に”ブライアンの前を通り、普段は行かない階段の上で溜めて溜めて一気にけしかける。
アダムにとって
ブライアンにちょっかいを出すことは
至福の歓びなのだ。
何故なら…
これは仕返しだから!!
全くこの逆のことを
ブライアンがすることがある。
そんな時は…
ブライアンが振り向いてくれるまで
アダムは寂しそうにしている。
このふたりは似ている。
単純でわかりやすい…
愛すべきツンデレなふたり
◆19.Bohemian Rhapsody
アジアツアーでこの曲に変化があるため
毎回レポートに載せ
今日も注意深く見ていると
目を疑うような光景が…。
自身のパートが終わりステージ端へ移動
フレディへ次を託すその時だった。
0:58~
いつもならフレディが現れるスクリーンへ向かって
右手を差し出し退場する。
ところが今日はその差し出した右手で
スクリーンに向けてキスを投げかけた。
もちろんこれは初めて見る光景。
ブライアンもアダムを見ている。
そして退場していく彼にもう一度目線を投げかけていた。
曲の出だしから声の張りや歌い方…
抑揚のつけ方が違うというのは明らかだった。
覚悟を決めていたことは
確かだろう。
◆21.Radio Ga Ga
スタート前のアダムはハイテンション。
このカメラの位置ならいつものアダムが間近で見られそうだ。
期待に胸を膨らませながらその時を待つ。
撮影者様のすぐ前方にあった階段を降り、アダムは姿を現した。
ひとつひとつの手と丁寧にタッチを交わしながら最高の笑顔。
ちょうどカメラの前辺りで“Radio Ga Ga~
”
フィニッシュに向けていつもよりステージに上がるタイミングが少し遅れたが、慌てることなく最後まで完璧にこなした。
◆22.We Will Rock You
◆23.We Are The Champions
◆24.God Save The Queen
レポートのための動画選び─
あれこれ再生しながらセトリ順に進めていく。
アダムの気持ちの変化を感じ取りながらここまで辿り着く。
アンコール動画だけは
ここに来るまで再生しないと決めている。
ラストを観てしまうと気持ちも閉じてしまって
書けなくなってしまうからだ。
アンコールの曲名を最後の空白に入力し
再生準備に入る。
今回はいつもより多めの5本の動画が待っていた。
“アダム今日もここまで来たよ。よろしくお願いね。”
と声を掛ける。
ロジャーのドラムでスタートしアダムが入場するまで
ドクドクと心臓は波打つ。
ここがいちばん緊張する場面だ。
この入場シーンで今日のアンコールの行方がだいたいわかる。
“そんなのわかるもんか!”
と怒られてもしかたない傲慢な物言いですが
なんてったってあのアダムですから!
(えっ、どのアダム?)
顔に出やすいアダムくんですから。
時には思わぬハプニングが起こったりするが
(マイクトラブルとかブライアンが急に背中を押すとかね!)
今日は予想通りのアダムだった。
シンガポールのアダムは…
堂々としていて
余裕が感じられ
充実感が漲っていた。
初日テルアビブで最高のスタートを切り、休暇を楽しみ
きっとシンガポールのステージはいいものになるだろうと。
それはブライアンやロジャーを見ていても感じられた。
アダムがいい状態でこのアジアツアーを迎えたと
安堵しているような気がした。
God Save The Queen
エンディング
今日は…並ぶような気がした。
促されることなく
アダムはトコトコとロジャーの方へ歩いていった。
三人が並んで花道を歩く。
心に思い描いた通りの光景に
思わず画面に向かって拍手。
鳴りやまぬ会場の声援とともに
私の気持ちもエンディングを迎えた。
ブレイクフリーで目撃された
アダムの“犯行”の一部始終。
“被害者 ブライアン・メイ”
このふたりは似ている、と書いたが
“似てきた”と言った方が正しいのかもしれない。
アダムにとってブライアンとロジャーは
もちろんかけがえのない存在だが
それぞれの関係性は全く異なる。
ロジャーに対して
アダムの心を占める感情─
それは“甘え”だ。
Under Pressureのスタート、アダムはたまに遅刻をする。
ロジャーは時折、心配そうに後ろを振り返っている。
最初は足早に駆け込んで来たものだった。
なのにいつの間にやら、もう曲が始まってるのにアダムは余裕で歩いてくるようになった。
時にはロジャーに向かって
“テヘッ”とごまかし笑いをしたり…。
“甘え”以外の何ものでもない。
ところがブライアンに対しては
大好きなくせに、甘えたいのに
なかなか素直にはいかない。
そこには駆け引きがあり、打算的な感情が働く。
それは─
ブライアンが
アダムのいちばん近くにいたからだ。
Killer Queen
Somebody To Love
Who Wants To Live Forever
The Show Must Go On
そして15年ツアーの
Save Me…
嬉しいときも苦しいときも
アダムに寄り添い、見守ってきたのは
ブライアンであり
彼の相棒レスぺだった。
濃密な時間、同じ空間を過ごしてきたふたりは
いつしか似てきたのかもしれない。
それ故、相手の心内がわかるのだ。
そこには打算的な…駆け引きが生まれる。
例えばブライアンにかまってほしくて回りをウロチョロするアダムを、ブライアンは知らぬ存ぜぬの顔をしてそっぽを向き続ける。
アダムが痺れを切らした頃に突然振り向き
にこっと目を細める。
その時のアダムの顔見たさに
ブライアンは焦らしてみせる。
アダムも振り向いてくれるのがわかっているので
諦めない。
ふたりの攻防は実に見応えがある。
曲をプレイし、ステージを作り上げる。
アダムの歌唱力と頭脳ならば
ある程度の合格点のレベルまでは行っていただろう。
しかしアダムの才能だけでは
限界はすぐに見えてきたはずだ。
本人曰く
“最初は単発的なものだと思っていた。”
で終わっていたに違いない。
(これはこのシンガポール公演の時に撮られたインタビューで実際アダムが口にした言葉だ。)
ところが
なぜ8年もの間、続いたのか。
それはこの三人の関係性…
微妙なバランスで保たれた相関図。
いちばんの要因は
ブライアンとロジャーの間にアダムが居る
という絶妙な三角関係にある。
最初は一本の線と点だったが、
それがきれいな三角形を描くようになった。
コピーが
やがてカバーになり
そして…枝分かれし
ひとり歩きを始める。
他の誰でもない。
それはアダム故に、成し得たこと。
ブライアンとロジャー
ふたりが自ら探したわけではなく
アダムに出逢い
アダムとなら何か出来るかもしれないという
底知れぬ可能性がこの奇跡を導きだしたのだ。
25年前
その歴史は完全に幕を下ろしたはずだった。
ひとつの出逢いが
歴史を動かす。
QALはクイーンであるか、とか
いや別物だとか…
それは…
答えが必要な論争だろうか。
フレディは悔いを残して
旅立った。
残されたふたりは
ただ歳を重ねるだけの人生を
送るわけにはいかなかった。
また新たな1ページが
Q史に
この日刻まれた。
アダムの名は
ほんの小さくていい
それが彼の望みだから
アダムとはそういう人だ
今日も最後までおつき合いくださりありがとうございます。
アダムはなかなか一筋縄ではいかない。
シンガポールもしっかり振り回されました。
次は台湾へ移動、そしていよいよ日本上陸を目指す。
サクサクと駒を進めてまいりましょう。
台北も初めて訪れる地。
どんなアダムが待っているやら~
またよろしければ
お付き合いくださいませ
(画像・映像すべてお借りしました)
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